この記事ではCFP試験のライフ、リスク、金融の攻略法について紹介しています。CFP試験対策全体の説明やタックス・不動産・相続の記事は以下のリンクからそれぞれのポイントを紹介しています。
ここでは、CFP試験のポイントを課目別に紹介していきます。課目ごとにある程度特徴がみられます。それをつかむことができれば効率的に学習が進められ、高得点を狙いやすくなります。
この記事の使い方
まずはひと通り目を通してみてください。進めていくと、いくつかの専門用語が出てきます。学習していく中で出てくるものとなります。はじめは分からない単語ですが、学習中にどこかで聞いたことあると思った時は、この記事をまた開いてみてください。お役に立てるヒントがあると思います。
CFP試験の共通ポイント
学習していくにあたって、どの課目にもある程度共通しているポイントがあります。
まず、計算問題については、計算方法を理解することができれば比較的簡単に点を取ることができます。ただし、金融については難易度の高い部分も計算問題として出題される点に注意です。
次に、文章の4択問題については、精選過去問題集と似た内容で別の部分が問われたりすることもあります。そこで、精選過去問題集を解いていく際には、回答以外の選択枠についても理解することが大切です。正しい解答を求められたとき、ほかの解答は間違っているということになりますが、この間違っている理由までも答えられるようにしておくことで、本番にも対応できます。本番では、過去問とほぼ同じではあるけれども問われている部分が逆であったり、回答が別の場所であったりすることも多々あります。精選過去問題集をただ解くだけでなく、他の解答についても理解を深めることが合格への近道です。
最後に、問題を解くときに難問に当たってしまった時です。試験は2時間と長そうですが案外足りない場合も出てきます。時間配分に気をつけましょう。CFPの問題はどの問題でも同じ点数です。簡単な問題であっても1点は1点です。途中難しい問題もでてきますが、まずは解ける問題から解いていきましょう。また、科目ごとにある程度の合格ラインに入ることができれば合格です。満点であったも合格ラインの点数でも合格は合格です。解けない問題にずっと固執してしまうと、解ける問題であっても焦ってミスをしてしまいます。解ける問題を確実にといていくことが大切です。
ライフプランニング・リタイアメントプランニング
合格ライン
- 2022年第2回:26点
- 2022年第1回:29点
- 2021年第2回:32点
- 2021年第1回:31点
ライフプランニングは年金や、社会保険といった問題が幅広く出題されます。その中でも、〇〇係数という言葉は3級、2級の試験でもなじみのある言葉ではないでしょうか?2級を前提とした知識を問われるため、これまでに学んできた〇〇係数もしっかりと使います。さらにCFP試験では〇〇係数の複合的な問題も出題されます。単体ではなんとかなったけど、複数の組み合わせになると解けない…なんてことにならないようもう一度振り返ってみましょう。そこで、〇〇係数と呼ばれる係数の覚え方についてご紹介します。
上記の図のように、左側に来るものはすべて「げん」という言葉が使われます。現価係数と終価係数は一番覚えやすい係数だと思います。それを除き、片方大きなグラフの部分がありますよね。そこの左右はそれぞれ「年金〇〇係数」という言葉が入ります。あとは現価と終価をいれるだけなので簡単ですね。このように図で示すと〇〇係数も覚えやすくなるのかと思います。
ちなみに近年流行っている、つみたてNISAのような積立投資は、減債基金係数と年金終価係数を使用します。年間40万円の積み立て投資をして年20年間運用するといくらになるのか?これは年金終価係数で求めることができます。また、住宅ローンのように3000万円のローンを30年間で返済していくためには毎年いくらの支払いが必要かと考えると、使う係数は資本回収係数ということになります。身近な事例で見てみると覚えやすいかと思います。
さらに、CFPでは複合問題が出るのでこれらにも対応できるための方法をひとつ例を使って紹介します。
これらを解いていくコツはどんな係数をどの組み合わせで使うのかということです。それらを組み合わせることで答えが導き出せるようになります。
ライフプランの学習のコツのもう一つは、年金関係です。年金には老齢基礎年金、障害基礎年金等様々な年金制度があります。テキストでみてみても難しい言葉で書かれて理解に時間がかかりますが、ここでおすすめなのが「日本年金機構」が公開しているパンフレットです。一般向けに公開されたフルカラーの資料になるので誰でも閲覧できます。図解されている部分もあるので私も学習するときには重宝してました。年金以外にも、中小企業共済等、検索するとパンフレットはいくつかみつかります。ネット上に出ている情報でも十分ライフプランは理解できるものもあるのでぜひ活用してみてください。
リスクと保険
合格ライン
- 2022年第2回:29点
- 2022年第1回:29点
- 2021年第2回:33点
- 2021年第1回:32点
リスクと保険のポイントのひとつは保険商品を読み取ることに慣れることが大切です。保険商品の読取り問題では長い資料の中からいくつか出題されます。答えはその長い資料の中に隠されているので確実に点を取っておきたいところです。また、保険事故が起きた時にいくら支払われるのかといった問題も出題されます。どの特約が適用されるのか注意が必要です。
次に、保険商品に関する問題は生命保険から、自動車保険、火災保険、海外旅行保険保険といった様々なテーマになります。自動車保険は過失割合を考えないといけません。火災保険は、地震を原因とする火災なのかで適用される保険は変わってきます。自身の加入されている保険がテーマになる場合が多いです。自分の加入中の保険ならどこを見たら良いのか?自分の場合だと特約はどうだったか?など実際の保険商品を見て行うとより実務に落とし込んで学習することができます。
他にも、生命保険料控除や、退職金、弔慰金の問題が出てきます。2級でも馴染みのある問題ですので確実に解いていきましょう。弔慰金の非課税金額は業務上では36か月、業務外では6か月となります。これも併せて覚えておくと良いです。
法人に関する問題では、リスクと保険では法人の会計処理についても理解が必要です。頭の中で漠然と処理をするのではなく、簿記のように貸方、借方を使って書いていくと理解しやすいです。簿記資格をもっていなくても理解できる問題となっているので心配せず取り組んでみてください。
金融資産運用設計
合格ライン
- 2022年第2回:26点
- 2022年第1回:28点
- 2021年第2回:27点
- 2021年第1回:28点
金融は外貨商品といった円と外貨への為替が前提に問題が多く出されます。「TTB」や「仲値」「税引前」「税引き後」といった言葉に注意して解きましょう。問題文の指示によって答えが変わってきます。別の値を使っても答えの選択肢になるように問題が作られているので、出た数値が合っているかだけでなく、使った値はなんだったのかについても確認しておきましょう。問題文をしっかり読んで解くことがケアレスミスの削減につながります。早く解きたい気持ちもありますが、まずは問題文に書かれている単位や切り捨てなのかなどに気をつけましょう。
金融では債券の利回り等を求めることが多く、最終利回り、単利回りいろいろありますが覚えておきたい式がこれです。
利付債の公式は馴染みのある式ですね。3級、2級でも出てくる式です。CFP試験でもこれは理解しておきましょう。次に、割引債です。利回りベースの式だとルートが出てきたりと覚えづらいと感じたので私はこの式で覚えました。これら二つの式を変形させて応用させることもできるのでふたつの式はしっかり覚えておきたいです。ちなみに、割引債を求める際に、4乗根が出てくることもあります。電卓でたたくとき、ルートを2回押すと4乗根の答えがでてきます。
次に、PBR、PER、ROEの関係性です。かけるんだっけ…割るんだっけ…と悩むこともあると思います。そんな時に便利なのがこれです。
算数で学んだ「き・は・じ」と同じです。PBRを求めるにはPERとROEをかけると求められます。会計に詳しい場合は暗記しなくても、デュポンモデルを使いながら容易に解くことができるでしょう。初めは暗記でも構いません。次第に本質がわかるようになります。受験生によっては本質が先の方が理解しやすいという場合もあるので、受験生の勉強のしやすい方で学習を進めていきましょう。
金融では他にもCAPM理論やシャープレシオ、オプションといった問題も出題されます。これらは図にしていくことで理解が進んでくると思います。中にはテキストではよくわからない...という場合もあります。そういった時にはネット上で検索してみるのもひとつです。私の場合、プット・コール・パリティに関しては、ブログに助けられました。このように、問題集・テキストだけでなく、ネット上にもヒントが隠れています。これらの内容に関しては金融工学の分野も入ってきています。本質を掴むことができれば非常に奥が深く面白い内容ですが、理解をするためには時間を要する場合があります。CFP試験対策であれば、解き方がわかれば合格できるので、解き方を優先して覚えるのも一つの方法です。試験まで日数が限られている場合、時間に余裕がある場合、それぞれ状況は異なるので受験生のスケジュールに合わせて見切りをつけてください。
他にも金融の分野では、日本銀行が公表している「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」からも出題されます。時事問題として出題されますが、このレポートはボリュームが多く、文章が難しいです。余裕があれば取り掛かってみてください。まずは、過去問題集が優先です。
まとめ
ここではライフ、リスク、金融と紹介しました。CFP試験の合格の基本は過去問の攻略です。地道に進めていくしかありません。しかし、解いた分だけ身に付いてきます。はじめは1問もわからずすぐ答えを開いていたものが、次第に解ける問題が増えていきます。
学習に必要なものは問題集、テキストですが、ぜひネット上にあふれているものも使ってみてください。ものによってはパンフレットの請求も可能です。テキストでは理解ができなかったものが、ネット上に転がっているものを使うことで、自分にとってわかりやすい資料が見つかるかもしれません。
一発合格を目指して頑張っていきましょう。