CFP試験は独学で合格できます!その理由は、1級の学科では、ライフプランから相続までの全課目が出題範囲ですが、CFPは課目受験が可能です。この科目受験という方法をうまく使うことで、独学でも時間がない方でも合格することができます。合格ラインおおむね6割程度ですが、当サイトでは、8割から9割程度の点数を目指した内容を紹介しています。試験受験後の体感は、「難しかったけど、合格ラインより上」、「このできなら大丈夫」といった感覚です。CFPはコツコツやっていけば合格のできる資格なのでぜひ挑戦してみてください。
筆者の場合、3課目×2回の受験でCFP全課目に合格することができました。
こんな方におすすめ
- CFPを独学で合格したい
- CFPを確実に合格したい
- 参考書はどうすれば良い?
CFP独学合格のコツは課目受験の使い方
独学で合格するためには、まずは試験の特徴を理解する必要があります。CFP試験の特徴は大きく3つです。
CFP試験の特徴
- 6課目を1度に全部受けても、1課目ずつ受けても良い
- 問題の一部は他の課目が含まれている
- 合格ラインは相対評価により、上位3割から4割程度
独学に最も適した受験方法は複数受験
このように、CFP試験は課目ごとに受けることが可能です。忙しい人には1課目ずつ、時間が取れる人は6課目全部、3課目ずつの2回受験で合格を目指す、2課目ずつ3回の受験で終わらせる、といったように様々な方法があります。
オススメ受験方法
- 3課目×2回受験(1年合格目標)
- 2課目×3回受験(1年半合格目標)
オススメできない方法
- 1課目×6回受験
- 6課目×1回受験
独学でオススメしたい課目数は2課目もしくは3課目受験です。この課目数であれば、独学でも確実に合格ラインを超えられます。
あまりおすすめできない方法は、1課目ごとの受験です。1課目だと合格までに3年かかってしまいます。全課目合格までにモチベーションの維持が困難になる可能性があります。
また、6課目一括受験もおすすめできません。6課目受験の場合、FP1級学科と同等レベルが要求されるということや、一括受験の場合には独学よりも講座受講の方が効果的に学習できるためです。
それに代えて2回、3回に分けた受験は、目標を維持しやすい期間でしっかりと合格を目指すことができます。
問題の一部は他の課目が含まれている
また、各課目の一部問題には、他の課目の内容が一部出題されます。例えば、「タックスの課目で、金融の課目に含まれる投資信託についての問題が出る」といった形です。
問題の難易度としては、基礎的な内容が多く、得点問題として確実に解いておきたいところです。
また、タックスについては最初に受験する課目として向いています。
振り返ってみると最初の1課目はタックスが最も効率が良いのではと感じました。
タックスには、他の課目の税金部分について全て関わっていきます。
タックスの内容が含まれる問題
- ライフ:所得税の計算
- リスク:生命保険料控除・受取保険金の一時所得や雑所得
- 金融:配当控除や分離課税
- 不動産:住宅ローン控除・居住用財産譲渡の特例
- 相続:相続時精算課税制度・相続税の計算
独学での合格の秘訣は、受験課目を工夫する
では、どの課目とのペアが良いのでしょうか?自分の苦手課目と得意課目を組み合わせて受験してみると、試験全体の難易度のバランスがとれて良いでしょう。
あくまで一例ですが、筆者は以下の通りに受験しました。
3課目×2回受験プラン
- ライフプラン、リスク管理、金融
- 不動産、相続、タックス
特に不動産と相続は似ている部分が多く、このふたつの課目は相性がよく同時受験をおすすめしたい課目です。
初めは、1課目のボリュームがイメージしずらいかと思います。まずは1課目から学習を開始し、学習の進捗次第で、2課目受験、3課目受験に切り替えていく方法も良いです。
CFPは課目ごとに難易度が異なる
CFPの合格ライン
続いて、合格ラインですが、多くの試験は合格ライン何点以上というラインがあらかじめ決められています。しかし、CFP試験では相対評価によるため、その時によって合格ラインの点数が変わります。合格ラインが27点の課目もあれば33点の課目もあります。合格率は各課目3割から4割程度です。
多少ばらつきはあるものの、おおむね27点〜33点に合格ラインが収まります。ただし、金融に関しては難易度が高い傾向にあるため合格ラインが27点付近が多いです。逆にタックスは合格ラインが33点が多いです。このように、合格ラインには課目ごとに多少ばらつきがあります。
合格ラインは課目ごとの傾向がある
CFP課目ごとの合格ライン
合格ラインはおおむね30点前後であることがわかります。金融に関しては、難易度が高い傾向があり、他の課目よりも合格ラインが下げられていることがわかります。
あなたの得意科目はなんでしょうか?保険業界の方であればリスク管理は得意でしょう。金融機関勤めであれば金融は得意かもしれません。それぞれ得意不得意がありますが、業界に全く関係ない私が受けた感覚だと以下のような難易度でした。筆者が感じた難易度は以下の順でした。
金融、不動産、ライフ、相続、タックス、リスクの順です。
苦手課目をまとめて受験するのは、非効率になってしまいがちです。そのため、得意不得意をうまく組み合わせながら課目を選択していくと良いです。
CFPの1発合格には教材の使い方が大切
独学でCFPを合格するためには、教材をうまく使うことが大切です。これから紹介する教材にはそれぞれ役割があるので、使いこなしていきましょう。
使用する教材とその目的
合格に向けて使う教材は以下の3つです。
使う教材
- CFP資格標準テキスト(最新版以外は税制改定に注意)
- FPKオリジナル精選過去問題集(最新版必須)
- CFP資格審査試験問題(最新版必須)
この3つのうちFPKオリジナルの精選過去問題集とCFP資格審査試験問題については最新版を使ってください。テキストについては最新でなくても対応はできますが、古いものについては税制改定等、年度によって変更されている点が一部ある点に注意が必要です。さらに価格を抑えたいという場合には、過去問題集とCFP資格審査試験問題の2点でも対応可能です。
CFP資格標準テキストは辞書としての役割
テキストは主に辞書のような役割で使用します。過去問を進めていく際にわからないところがあった場合にはテキストや過去問の解説を読みます。テキストを使うことによって、その問題の前後の内容についても理解することができます。これによって過去問では解くことができたけど、改変されたら解けなくなったという問題を解決することができます。なお、テキストには本質的な部分をついた内容も盛り込まれています。奥が深い内容をコンパクトにまとめられているので、理解できない部分もあるかと思います。その部分については、本質を詰める部分と暗記で乗り越える部分と分けて進めていきましょう。
FPKオリジナル精選過去問題集は1番の主役
CFP合格のコツはいかに過去問を攻略するかにあると考えています。メイン教材として何度も使うことになります。ただし、精選過去問題集だけでは当日の試験には6割弱程度のカバー率となります。
過去問題集のみでも十分合格ラインに到達することは可能ですが、合格ラインを確実に超える点数を取るには、過去問だけでなく、テキストや最新の審査試験問題が必要です。
CFP試験の問題構成
- 6割程度:過去問と類似した問題(過去問で対応できる問題)
- 1割程度:過去問から出題形式が変更された問題(最新の審査試験問題で対応可能)
- 1割程度:最近の経済事情を抑えた時事問題(国が公表している資料からカバー)
- 1割程度:初見問題(テキストからカバー)
CFP試験の6割弱は過去問と似た傾向の問題が出題されますが、応用が少しと最近の経済事情を抑えた時事問題、そして過去問から少し出題形式が変更された問題、初見問題といった傾向がみられます。
CFP資格審査試験問題は仕上げと近年の出題傾向をみる目的がある
過去問は、分野別に問題を解いていくことから、実際の試験問題と同じ形式とは違った形で学習していきます。そのため、試験に近い形で学習するには、この過去に実施された試験問題が活用できます。また、過去問題集には最新の過去問が記載されていません。そのため、最新の過去問はCFP資格審査試験問題から学んでいく必要があります。他にも、最新の過去問には近年の出題傾向が読み取れます。過去問題集と同じ内容ではあるものの、出題の形式が少し変わっていることがあります。これらは、過去問題集だけでは気づかない部分もあるので、最新の過去問を使うことで、出題傾向を読み取り、合格ラインより上のラインを目指して確実に合格していきましょう。そうすることで、ケアレスミスが発生してもしっかりと合格ラインを突破することができます。
CFP合格に向けた学習の流れ
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1テキストをパラパラめくり全体像を掴む
学習の始めたては一度テキストをパラパラとめくっていきます。ここでわからなくても大丈夫です。まずは雰囲気をつかみおおよその学習イメージが掴めれば大切です。時間に余裕がないという場合には目次だけ見て問題に取り掛かるもの良いでしょう。その後、学習のメインで使う過去問の辞書代わりとして使います。
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2学習のメインは過去問題集の攻略
次に、FPKオリジナル精選過去問題集に取り掛かりますが、始める前にひとつ精選過去問題集に手を加えます。
精選過去問題集は問題、解説、制度改定情報の3つの構成から成り立っています。このうち、問題と解説の間で切り分けてしまいましょう。
これによって、問題と解説のいったり来たりという作業をなくすことができ、学習を効率的に進めることができます。見た目が不格好かもしれません。使用後、メルカリに出すのが難しい。そんなことを気にするより合格を第一に考えましょう。
さて、ふたつに分断された精選過去問題集を解いていきますが、いきなりは解けないのですぐに解答を見ます。2周目からは解いていきますが、解答を見ながら解いても大丈夫です。次第に分かるようになります。2週目が終われば3週目と進めていきます。
過去問のポイント
難易度の高い問題は一旦飛ばしたり、暗記で乗り越える方法も考えましょう。
本質を理解することができれば、暗記することなく問題を解けますが、全て本質を突いているとキリがない部分も出てきます。
例えば、難易度の高い「金融」の中には「ポートフォリオ理論」という内容が過去の出題実績にありますが、これを理解しようとすると相当な時間を要します。金融工学の分野にもなってくるので金融分野に馴染みのない受験生にとってはかなり難しいテーマとなっています。
受験対策だけであれば、過去問題集の解説程度の理解で十分ですので、時間配分を考えながら、本質を詰めるところ、暗記で乗り越えるところを分けていくと良いでしょう。
後回しにすることで、他の問題が進みます。その後、後回しの問題を解いてみると、「あれ、以外と解ける?」というように初見よりも解けやすくなる時もありました。前から全部解かなければいけないわけではないので、理解が進みやすいものから解いていきましょう。
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3CFP資格試験審査問題で出題傾向を探る
試験が近づいてきたころに最新のCFP資格試験審査問題を解きます。私は1か月前から始めました。この問題を始める際には、試験と同じように2時間という制限時間を設けて解いてください。実際の試験に近づいた状態で挑みます。
解いてみると、難しい部分もあると思います。最新の問題ではその回限りの特有の問題もあれば、今後の試験問題作成時の傾向として変化している部分もあります。試験でも同じ状態が起こります。焦らず、満点をとろうとせず、分かる問題を確実に仕留めていきましょう。
試験当日は早めに会場に入る
周りはみんな頭良さそう…そう思うのは自分だけじゃない!
さて、試験当日ですが、ほとんどの会場では控室が用意されています。一部都合により用意できない会場もあるようです。試験当日は、早めに会場入りをして、最後のチェックと、試験会場の雰囲気慣れをしておくと良いです。
早めの会場入りはおすすめです。私の場合、通路を挟んで試験会場と控室でしたので、試験開始までに雰囲気に慣れることができました。もっている知識が6割程度でも当日の試験で出せるパフォーマンスが100%であればしっかりと合格ラインに到達できます。
会場に入るとみんな最後の仕上げのための学習をしています。みんな頭が良さそうに見えますが、そう思っているのはみんなそうです。
筆者の場合、ある程度の復習が終えたら教材は閉じて、音楽を聴いています。その方が落ち着けるからです。
ぜひ、自分のペースを作って100%の力を出し切りましょう。
試験中は解ける問題から
試験中は、まず問題の全体を見渡します。見渡す目的は、「後回しにする問題」を見つけるためです。ざっくりとしたイメージで大丈夫です。「ここが少し難しそうだ…。これは解けそう…。」という感覚でめくってください。その時に、これはかなり苦戦しそうというものについては「後回し」にしてください。ただし、計算問題に関しては、問題によって時間がかかるものもあります。「時間のかかるもの=後回し」にしては得点源を逃してしまうので、基礎的な計算問題は多少時間を要しても飛ばさず解いてしまいましょう。試験が終わりに近づくと見直しを行うと思いますが、以下の点に注意してください。
試験の見直しポイント
- 解答の単位は合っているか?(%表記、どこで四捨五入するのか、単位は万円?千円?)
- 何を問われているか?(課税標準?所得金額?所得税額?手取り?)
- 考慮するもの、しないもの(例:住民税の調整割を考慮するのかしないのか?)
知識はあっても、ケアレスミスで落としては勿体無いです。試験時間めいっぱい使って確実に点数をとっていきましょう。
合格ラインは翌日公表
試験終了後、問題は持ち帰ることができます。翌日の午前10時に模範解答が公表されるのでその時の答え合わせのためにも、問題に答えを書いておくと良いでしょう。なお、合格ラインの発表は試験の1ヶ月後となります。
次の課目を控えている場合には、気持ちを切り替えて次に挑みましょう。あの問題どうだったかな?と過去の問題を思い出しても点数は変わりません。切り替えの早さが次の課目の成果を作ります。
まとめ:CFP課目別合格法の紹介
当記事で紹介した方法で学習することで、8割から9割程度の点数を獲得することができます。試験後、「合格ラインに到達したかどうか微妙」といった不安に駆られることなく、確実に合格を目指すことができます。
CFP試験は受験者のペースに合わせて受験することが可能です。FP1級学科は課目の範囲が広く合格率も低いですが、CFP試験であれば課目ごとの合格率は3割~4割程度と勉強次第で合格が狙えるラインとなっています。忙しい場合には1課目ずつでも良いですし、初めは1課目学習してみて、試験までに課目を増やすという方法でも良いです。じぶんのペースに合わせて合格を狙っていけるのがCFP試験のポイントです。焦らず自分のペースで取り組んでいきましょう。
学習を始めていくと、最初はなかなか問題が解けないことが多いと思います。問題を見て答えを見て、その繰り返しで解けるようになります。解けるようになっていくとそのうち自分の苦手分野もわかるようになります。その際には苦手を把握してバランスよく点数が取れるよう復習していってください。
他にも課目別のポイントも紹介しています。独学は、問題の解説やテキストの文から理解する必要があります。ポイントを理解することでより効率的に学習を進めていくことができます。
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