NISAを満額やっているけれど次は何をしたら良いのか悩む方もいるかと思います。
NISAの次は確定拠出年金をやる、特定口座を使ってNISAと同じものを買う、個別株を買う、不動産投資をするなど様々な選択肢があります。
どの運用方法でも、最終的にそのお金は何のための資金か決めておくとどうすれば良いのか選択しやすくなると思います。
ここでは、NISAの次の選択肢として確定拠出年金、特定口座、不動産投資の3つについて紹介していきたいと思います。
こんな方におすすめ
- iDeCo(イデコ)を始めようか悩んでいる人
- NISAの次はどうしようか悩んでいる人
- 不動産投資はどうかなと気になっている人
運用したお金の目的は何か
NISAの次にやれることはいくつもありますが、その運用した資金は何に使うか決まっていますか?
教育資金にするのか、住宅資金にするのか、老後資金にするのか、それとも余剰資金なのでとりあえず運用しておきたいのかなどその目的に合わせて運用していく必要があります。また、その資金が必要な期間が5年先なのか20年先なのかで投資対象も変わってきます。
たとえば、5年後に住宅資金としてお金を使いたいのに、iDeCo(イデコ)をやっていては意味がありません。教育資金として20年後に使いたい、というときには長い目線での運用を考えることができます。
中には、用途が決まっていない資金もあるでしょう。とりあえず将来のために用意しておきたいものです。その場合には、いつでも予定の変更に対応できるように流動性の高い方法を選択するのも一つです。当記事での流動性の高い商品とは、現金化のしやすさです。資産運用をするということは、株や投資信託など様々な形で運用していくわけですが、現金が欲しいと思ったときにすぐに引き出せるものが流動性が高いということになります。不動産は売却までに仲介を通したり、手続きを進めるため、数日単位ではなく月単位で売却までに時間を要するため、流動性が低いと言えます。
次は、確定拠出年金や特定口座、不動産についてそれぞれご紹介していきます。
確定拠出年金
確定拠出年金とは
確定拠出年金は企業型と個人型に分けられます。一般的に「イデコ」と呼ばれるものは「個人型」になります。
当記事では「個人型(イデコ)」についてご紹介していきます。
iDeCo(イデコ)は将来の年金を準備するための投資になります。iDeCo(イデコ)には以下の3つが税金面で優遇されています。
掛け金が全額所得控除
毎月1万円をiDeCo(イデコ)に投資していた場合、全額が所得控除として優遇を受けることができます。
毎月1万円とすると、年間12万円ということになります。この12万円の全額分の税金が引かれるわけではありませんが、十分税金を低くすることができます。
運用益が非課税
投資は基本的に運用した利益に対して20%程度の税金がかかります。これに関して、iDeCo(イデコ)は非課税で運用できるということになります。
この部分はNISAと同じ特徴となっています。
受け取る時に大きな控除
受け取る際には2通りの方法があります。
年金として定期的に受け取る方法と、退職金のように一括で受け取る方法があります。この時に利用できる税金の優遇が、年金としてなら「公的年金等控除」として、一括として受け取る場合には「退職所得控除」として税金の優遇を受けることができます。
iDeCo(イデコ)をやると保育料が下がる?
iDeCo(イデコ)には節税の効果だけでなく、保育料を下げることができる可能性があります。iDeCo(イデコ)と保育料がどう関係してくるの?というと源泉徴収票と関係があります。保育料は住民税を基に決まりますが、その住民税を決めているのが源泉徴収票です。確定申告をしている人は確定申告が住民税に影響していきます。
保育料は、社会保険料と同じように段階別に分けて納税額の大きい世帯になるほど保育料が高くなる仕組みとなっています。保育料の段階は地域によって様々で、細かく分けられている地域もあれば、ざっくりと分けられている地域もあります。
この時、保育料の次の段階のギリギリの金額の場合、1段階でも低い方が良いですよね。その時にiDeCo(イデコ)を活用していることで、保育料の段階が1段下げられることになり、保育料が安くなるということにつながります。
iDeCo(イデコ)のデメリット
iDeCo(イデコ)を行う際には以下の点に注意が必要です。
60歳まで引き出せない
自分で年金を作るための制度ですので、原則60歳まで引き出すことができません。一部条件を満たすと途中解約することができますが、国民保険料の免除者であることなどいくつもの要件があり、ほとんどできないに近い状態です。iDeCo(イデコ)を始める場合には、60歳まで引き出せないことを理解した上で活用することが大切です。
口座の維持に手数料がかかる
毎月1万円で半年間やってみたけど、やっぱりやめておこうとした時、投資した金額は引き出せないのでそのまま置いておくということになりますが、置いておくだけでも管理手数料が毎月かかってきます。管理手数料は金融機関にもよりますが、毎月数百円程度。これが10年、20年ともなれば結構たまっていきます。
年金や退職金が大きいと税金がかかる
iDeCo(イデコ)のメリットの一つに受け取り時、「公的年金等控除」や「退職所得控除」が使えるため、税金面で優遇できるという点がありますが、実はこれがデメリットともなっていきます。
年金額が大きい人、退職金がたくさんもらえる場合は要注意です。
「公的年金等控除」、「退職所得控除」はなんでも全部控除されるわけではないので、上限を超えてしまうと受け取る時にも結局税金がかかってしまいます。つまり、投資している時には節税メリットがあったけど受け取る時に税金がかかるといったように「税金の繰延べ」をしている状態となってしまいます。
iDeCo(イデコ)に向いている人
iDeCo(イデコ)に向いている人は、運用資金の目的を老後資金にしようとしている人にオススメです。特に退職金のない方にはオススメです。退職金がある方については、退職金がいくらもらえるのかというところはチェックポイントいきます。自分はいくらの退職金がもらえそうなのか、iDeCo(イデコ)を引き出すとき、所得控除の金額を超える金額ではないかなどをチェックしていきましょう。
以下に国民年金基金連合会と厚生労働省が共同で作成したパンフレットがあるのでぜひご覧ください。
特定口座
特定口座は短期でも長期でも運用できる
特定口座では、NISAで購入した株や投資信託などと同じものを買うこともできます。近年、人気になっているS&P500や全世界株式といった商品も選ぶことができます。他にも、NISAでは投資信託を買っていたから、特定口座では個別株と呼ばれる、トヨタ自動車、ユニクロ、アップル、マイクロソフトといった銘柄を買うこともできます。
特定口座で運用するメリットはなんといっても自由度が高いということです。
自分で好きなように投資することができる
自分の好みに合わせて投資することもできれば、途中で投資スタイルを変更することもできます。元々長期で運用しようと考えていたけれど、やっぱり5年後に引き出そうかなということにも対応できます。ただし、iDeCo(イデコ)と異なり、運用益には税金がかかってきてしまう点に注意が必要です。
特定口座に向いている人
特定口座に向いている人は、いつでも資金を動かせるようにしたい人、資金用途が決まっていない人、投資を自分なりに決めていきたい人です。
自由度が高い分、初めはどれをやったら良いか迷うこともあります。日本株からやるか、米国株をやるか、配当目当てでやるのか、株主優待目的でやるのかなどです。正解は一つではありません。配当を目的として投資するなら高配当銘柄が視野に入ってきますし、値上がり益を目的とするならハイテク系の銘柄などが挙げられます。他にも、この会社が好きだからという考えで投資する人もいます。まずは少額から始めてみて自分のスタイルを身につけてみてはどうでしょうか。
不動産投資
不動産投資のコツはシミュレーション
不動産投資は、少ない金額で数千万円の資産を持つことができ、いわゆるレバレッジがかけられるメリットがあります。また、株式投資と異なり、家賃収入を得るので株式投資と異なりある程度先の収支を予測することもできます。
不動産投資はシミュレーションが大切
家賃収入から、修繕積立金や、共益費、ローンの支払い、固定資産税などを引いて残った分がどのくらいになるのか。将来的な大規模修繕はどの程度必要なのかなど長い目線で考えていく必要があります。
営業マンの言葉だけで買わず、自分で調べる
営業マンの言葉だけを聞いて購入していては危険だと私は考えています。時に、キャッシュフローシミュレーションを見せてもらうことがあるかもしれません。その時のシミュレーションの税率や修繕積立金の推移、ローン返済時の金利条件どうなっているでしょうか。
変動金利で借りるのであれば、将来的な金利上昇も想定したシミュレーションが必要といったように、キャッシュフローシミュレーションの数値は、入力の仕方で簡単に黒字になったり、赤字を抑えたりすることもできます。自分なりにシミュレーションした上で、適切がどうか判断することができれば、不動産投資で失敗する可能性を減らすことができます。
将来、住宅ローンを組む予定のある場合は、自分の借りられる金額が下がる可能性がある。
今は賃貸に住んでいるけれど、いずれマイホームが欲しいと思うかもしれません。その時に、不動産投資によってローンを組んでいると、マイホームを買うときのローンの金額が下がる可能性があります。
例えば、5000万円ローンを組める人が、3000万円の不動産投資によって借入をしていた場合、住宅ローンで組めるローン金額は2000万になってしまうこともあります。銀行から借りられる金額は属性(会社員、公務員等)や年収である程度決まってきてしまいます。せっかく理想のマイホームを買いたいと思っていても、不動産投資の影響で借入金が少なくなってしまうのは残念です。
不動産投資を考える場合には、将来の住宅購入も視野に入れてみると良いでしょう。
不動産投資に向いている人
不動産投資に向いている人は、株式とは別の資産に投資をしたい人、長期的に安定的な収益を得たい人です。
不動産投資もiDeCo(イデコ)と同じように、長い目線で投資をしていくことが前提になります。仮に途中売却するということになっても5年以下に売却してしまうと短期譲渡所得となってしまい約40%程度の税金がかかります。これが5年を超えると、長期譲渡所得で約20%となります。なお、この5年というのは、譲渡した年の1月1日時点で5年かどうかという点に注意が必要です。例えば、今年の10月でちょうど6年となる場合、譲渡所得上の計算は、10月売却の場合は、5年、次の年の1月以降だと6年という計算になる点にも注意が必要です。
まとめ
NISAの次は、その資金の目的によって選択肢が異なります。
資金拘束が嫌だという場合や自由にやりたいという場合には特定口座で運用するのが良いですし、運用目的が決まっている場合には、iDeCo(イデコ)や不動産という選択肢もあります。
周りがiDeCo(イデコ)をやってるから私もやったほうが良いのかな?という考えではなく、自分の場合iDeCo(イデコ)が必要なのかといったように考えていくと適切な資金の配分がいくかと思います。
私たちには、限られた収入の中かから、生活費から教育資金、運用資金等を配分していきます。この配分が効果的であるほどより金銭的に豊かになれると思います。どの配分が適切かどうかは、それぞれのライフプランや家族構成によっても異なるので人それぞれです。まずは、自分はどうしたいのか?を考える必要があります。ぜひNISAの次の投資の参考になればと思います。