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不動産投資の仕組みを知ってリスクを抑える

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不動産投資の仕組みを知ってリスクを抑える

こんな言葉を聞いたことはないでしょうか。不動産投資をすることで、生命保険代わりになる、将来の年金になる、不労所得が手に入る。

不動産投資は投資金額が大きく、破産の可能性もあります。しかし、株式投資のように大幅な上昇や下落がなく、比較的安定している投資です。

不動産投資を始める前に、いくつか確認しておきたい点があります。見逃していると後で「知らなかった」「想定外だ」とならないようにしていきましょう。

こんな方におすすめ

  • 不動産投資に興味がある、始めようとしている
  • 営業マンの言う通りなのか心配な人
  • 不動産投資で失敗したくない人

ローンの借り入れ金利をチェック

借り入れている金利は高くないか

不動産投資において借り入れを行うことはほぼ必須となってきます。その時の借入金利は何%でしょうか。

以下の条件と仮定してどの程度金利の負担に差があるのか検証してみたいと思います。

前提条件

借り入れ額:4000万円

返済期間:35年

返済方法:元利均等

金利(固定):1.8%、1.9%、2.3%で比較

  1.8% 1.9% 2.3%
利息総額 1396万円 1481万円 1830万円
1.8%との差額 85万円 434万円

上記の結果から、1.8%と1.9%(0.1%差)だと85万円、1.8%と2.3%(0.5%差)だと434万円の差が出ることがわかりました。

借りられる金利は低いほど良いですが、借りる銀行やその人の属性等によって異なります。高すぎると余分に金利を支払うことになるので、複数の見積もりを取ることも一つの手だと思います。

変動金利の場合、金利上昇を考えているか

変動金利の場合、固定金利と違い、将来の金利上昇の可能性が考えられます。変動金利で借りる以上、金利上昇を前提としたシミュレーションは必須と考えます。

以下の前提条件をもとに、将来の金利上昇を考慮しない場合(固定金利として扱う)と将来の金利上昇を考慮した場合(変動金利として扱う)を比較してみましょう。

前提条件

借り入れ額:4000万円

返済期間:35年

返済方法:元利金等

金利:固定(1.8%)と変動(1.8%から5年ごとに0.3%を4回上昇)

  当初 6年目以降 11年目以降 16年目以降 21年目以降
固定 1.8% 1.8% 1.8% 1.8% 1.8%
変動 1.8% 2.1% 2.4% 2.7% 3%
固定金利 1396万円
変動金利 1872万円
差額 476万円

将来の金利上昇を考慮した場合と考慮していないとでは476万円の差が出ました。100万円単位で変わってくるので大きな負担ですね。

今回は0.3%の上昇でシミュレーションしましたが、条件を変えるとまた違った結果となりますが、金利が上昇することで負担金額が増加することは考慮しておく必要があります。

不動産購入に必要な初期費用

物件の購入の際には、物件価格だけでなく「初期費用」と呼ばれる費用がかかってきます。おおむね物件価格の10%程度かかります。

購入に必要な初期費用

仲介手数料…物件購入にあたって仲介を挟む場合にかかる手数料

不動産取得税…不動産を取得するときにかかる税金

印紙税…文章を作成する際に課税されるもの

登録免許税…登記するときにかかる税金(登記:これは私のものですと示すこと)

司法書士報酬…登記の申請代行手数料のようなもの

ローン手数料…ローンを組む際の事務手数料

ローン保証料…ローン保証会社とローン保証を結ぶ際の保証料

火災保険料…火事等が発生した際の保険

どれも必要な費用であり、費用を抑えるのが難しいです。初期費用がこんなにもかかってしまったとならないように予め視野に入れておく必要があります。

不動産の毎年かかる費用

毎年かかる費用

毎年の収入は家賃収入ですが、毎年の支出はどんなものがあるでしょうか。

ローンの支払いはもちろん、管理費や修繕積立金、固定資産税、都市計画税といくつかの費用が必要となります。

将来的に増額する修繕積立金

修繕積立金は将来的に増額することが多くあります。初めはワンルームマンションの場合だと月額2000円(年間24,000円)といった程度の金額で済むことがありますが、後々修繕積立金の金額が変更されて毎月10,000円(年間120,000円)となる可能性もあります。

値上げ幅については、修繕積立金の低い時期が長ければ長いほど値上げ幅が大きくなります。

数年後に値上がりがしたとき、想定外に修繕積立金がかかりそうだから値上げします。と言うわけではなく、修繕が近づくにつれて値上げすることを前提としていることが原因です。このように初めは少なく、修繕の必要性が高まると値上げをしていく方法を『段階増額積立方式』といいます。

修繕積立金が高くなったわけではなく、適正価格に戻ったという状況です。

『段階増額積立方式』とは別に『金等積立方式』と言うものもあります。

段階的に修繕積立金を値上げしていく方法とは異なり、長期間に渡り一定額を積み立てていく方法となります。

世の中の多くの物件は『段階増額積立方式』によって修繕積立金が設定されています。将来の修繕積立金の値上がりを考えていないと投資が失敗してしまうことや、売却予定の物件が修繕積立金の増額の影響により価値が下がってしまうというケースもあるので注意が必要です。

設備交換・原状回復費用

35年の間に、お風呂は何回メンテナンスしますか。エアコンはどうでしょう。クロスの張り替えは?など自分の所有する物の修繕が必要になってきます。

設備が劣化すればいづれ修復、取り替えは避けられません。その時の負担も考えなくてはいけません。

修繕積立金があるから大丈夫。と言うわけではありません。修繕積立金の用途は画壁やエレベータなど共用部の修繕に充てられます。そのため、自分の設備は自分で治すことになる点に注意が必要です。

つまり、修繕積立金とは別に自分で用意する必要があると言うことになります。

税金の計算

不動産所得がプラスの場合は税金がかかり、不動産所得がマイナスの場合、給与所得との損益通算が受けられます。その際にどの程度の税金を支払うのか、また還付が受けられるのか、ある程度見積もる必要があります。

不動産営業マンから受け取ったシミュレーションをもらっている場合、そのときに使われている税率も見ておく必要があります。シミュレーションは数値の入力次第で良くも悪くも見せることができます。

不動産所得についての節税の仕組みについては以下の記事で紹介しているので併せてご覧ください。

ワンルームマンション投資で節税?仕組みを解説

まとめ

不動産投資にはさまざまな費用がかかります。毎年かかる費用もあれば、修繕に伴って支出する費用もあります。

不動産投資において大切なことは、十分なシミュレーションを行うことです。

不動産投資をすることで、生命保険代わりになる、将来の年金になる、不労所得が手に入る。といった言葉だけで判断せず、検討している物件の立地や築年、利回りからローン返済、現金はいくら入れるのかなどを考えた上で投資をしないと大きく失敗してしまう可能性があります。

不動産投資は金額が大きいために、失敗した時の損失額も大きくなる傾向があります。

失敗しないためにもしっかりと調べ、シミュレーションを重ねた上で、不動産投資を成功させていきたいですね。

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