病気に備えて…ケガに備えて…災害に備えて…もしものために役立つというのが保険です。ほとんどの方が何かしらの保険に入っているのではないでしょうか。しかし、加入はしていても、具体的にどこが保障されているのか、詳しいことまで知っている人は少数ではないでしょうか。
保険について知ることで、自分で保険が必要、不要がわかるようになり、家計をスマートにできる可能性があります。
保険は公的保険と私的保険に分けられる
健康保険といった公的保険
健康保険、雇用保険…といった国の保険です。医療費が高くなったときに使う高額療養費や、失業した時にもらう失業手当などがこれにあたります。あまり知られていませんが、簿記などの資格取得をするために通信講座などを利用したときにもお金がもらえる制度があります。教育訓練給付金です。これも公的保険のひとつになります。
私たちは病院へ行った時には、当たり前のように3割負担で利用しますが、これは国の健康保険制度があるからこそ3割の負担で利用できています。もし、健康保険がなければ10割払わなければなりません。1回の診療は数千円程度で済むところ、10割になると1回の診療で1万円を超える可能性もあります。
医療保険や学資保険といった私的保険
生命保険、医療保険、個人賠償責任保険、学資保険…などが私的保険にあたります。保険の見直しをする際、加入、解約、乗り換え等の対象になる保険です。保険屋さんに相談すると、必要な保障額を算出し相談者に応じた保険プランなどを提案されます。配偶者が亡くなった時に備えて、将来の子供の教育費に備えてなど様々な目的に合わせた保険商品があります。
保険加入前に考えておくべきこと
保険は万が一に備えて入るもの
極端な話をしますが、ボールペンを使うとき、仮に保険があったとして保険に入るべきだと思いますか。
では、自動車に乗るとき、自動車保険は入るべきだと思いますか。2つの大きな違いは、保険の対象であるモノの金額の大きさです。
ボールペンは仮に壊れたとしても再度購入することは簡単です。それと異なり、自動車が壊れた場合、すぐにお金を用意することができれば良いですが貯金がなければ難しいでしょう。また自動車には事故が伴うためより保険の必要性が高まってきます。
このように保険の基本的な考え方のひとつは
保険で補填される部分が自分で負担できるかどうかというのがポイントです
さらに考えていきましょう。次は医療を例に話していきます。
病気にかかってしまい入院することとなりました。医療費は高くなりそうです。このとき、まず考えるべきポイントは、公的医療でどの程度補填できるのかということ。私たちは国民健康保険というものに入っていますから大体の人は3割負担となります。3割といっても入院となると高額になつてきますよね。ここで、活躍する公的保険が高額療養費制度です。
例えば、
標準報酬月額が28万~20万の人
自己負担限度額=80100円+(総医療費-267000円)×1%
標準報酬月額が26万円以下の人
自己負担限度額=57600円
つまりこの限度額を超える部分を支払った時、超える部分が払い戻されるという制度です。ただこの制度にも弱点があり、月単位の計算になるため、月跨ぎの治療が生じた時、限度額を超えないことがあります。高額療養費制度を理解した上で加入の有無を考える必要がありますね。高額療養費制度は私たちにとって医療費負担軽減になるので、この制度についてはしっかりと理解しておくと、医療の面で助かる部分が見えてくると思います。
保険は損得で考えると本質を見失う
2つ目は保険は損得で入らないということです。保険に入り、実際に入院してみると、かかった費用より多く返ってくる場合があります。保険に複数入っている場合や保障内容が大きすぎる場合におきます。
かかった費用より、多く保険金が下りた時、「ラッキー」と思うことはないでしょうか。
保険が支払われるということはそれまでに保険料を支払っているはずです。基本的に保険は得するものではありません。
掛け捨て保険は払って終わり、という場合も少なくありません。保険は使わない方が私たちの身体にとっては良いことなのです。
極端な話をしてしまえば、保険料が手元にあるお金で支払うことのできるお金があれば保険は不要になることも考えられます。自動車の例えを出しましたが、自分が支払える額を超える場合に保険は力を発揮してくれます。
まとめ
これによってどの保険を選ぶべきか、どのような保険が自分に合っているのか選択しやすくなると思います。保険を見直すことで月々の余裕が出てくることも多々あります。
支払額を見てみると「こんなに払っているんだ」と気づくこともあります。ただリスクに備えるといっても、「私は〇月頃に病気になる予定です」といったことは誰にもわかりません。なるかもしれないという不確実なものと向き合うので、加入すべきかどうかを選択するのは難しいと思います。保険商品はたくさんあるあまりに選択に困ってしまいます。あなたに合った保険をみつけていきたいですね。